作品紹介

年代別に代表的なものも合わせて紹介していますが、一部島村コレクションでないものも含まれます。
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「原版彫り進めによる多色摺り木版画について」

長谷川は、齋藤清先生に出会い作品展のお手伝いをし、その素晴らしい仕事を見て版画に関心を持ちました。技法は、先生の作品の画面から彼なりに吸収しました。それと、もともと彼の中にあった漆工人としての才能が融合して自然と独自の技法が確立されました。
従来の版画と少々異なり、版木が1枚のみで彫りを進めながら油絵の具で多色摺りという方法です。版木はしなの木の合板で紙は椿紙と麻紙を使っています。最初にエディション分の紙を用意し版木油絵の具をローラーで前面に塗り、たとえば20枚を摺り重ねます。次に版木の油絵の具を全部拭き取り必要な部分を彫ります。そして次の油絵の具を塗り、前に摺った紙20枚をに摺り重ねます。途中版木に樹脂、ボンドなどで版画を盛り上げたりして30回程彫りと摺りをくりかえし、最後に版木は形がなくなり完成となります。
彼の版画は完成したときには版面がなくなるので最初に決めた枚数しか残りません。そんな再生不可能な版画を毎日制作されています。



(注)掲載の作品色彩はオリジナルとは100%同等の色彩ではありません。
できるだけ近い色彩に調整しておりますが、ディスプレイその他により多少異なることもご留意ください。
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